フェロモントラップとはWhat is Pheromone Trap?

フェロモンと聞いてどのようなことを思い浮かべるでしょうか?
ここでは、エコモン商品のフェロモントラップならびにフェロモンについての仕組みをご説明します。

フェロモントラップの仕組み

フェロモンとは?

昆虫は「フェロモン」と呼ばれる化学物質を体から出すことで、仲間(同種)とのコミュニケーションを行っています。
富士フレーバーでは日々この「フェロモン」について研究しています。

“フェロモン”による昆虫のコミュニケーションと“ことば”による人のコミュニケーションは同じ

フェロモンによるモニタリング

私たちが昆虫の「フェロモン」について研究しているのは、「フェロモン」を使ってモニタリングを行うためです。
モニタリングとは、簡単にいえば「昆虫の生息数を調べる」こと。ある昆虫がどれだけいるかを知るために「フェロモン」によって呼び集めて数えます。
その道具として使われるのがフェロモントラップです。

昆虫を呼び集めるフェロモン

昆虫の「ことば」である「フェロモン」には、いろいろな意味を持つものがあります。
これらの中で昆虫を呼び集める(誘引する)という意味を持っているのは、性フェロモンと集合フェロモンです。
そのため、モニタリングにはこの2つの「フェロモン」を使います。

性フェロモン:子孫を残すために、異性間で使われるフェロモン 集合フェロモン:雌雄一緒になって集団をつくるときに使われるフェロモン

性フェロモンと集合フェロモン

モニタリングには性フェロモン、あるいは集合フェロモンが使われます。
しかし呼び集めるといっても、性フェロモンと集合フェロモンではその意味も効果も異なります。たとえば貯穀害虫(穀物やその加工品といった食品に害を与える害虫)では、性フェロモンを「ことば」として使っているのは飛び回る害虫のグループ、集合フェロモンを「ことば」として使っているのは歩き回る害虫のグループです。
その2つのグループの間には、次のような大きな違いがあります。

貯穀害虫のグループ 使っている「ことば」の種類 成虫が餌を食べるか? 成虫寿命
飛翔性貯穀害虫類 性フェロモン NO 短い
徘徊性貯穀害虫類 集合フェロモン YES 長い

一般的に、性フェロモンに比べると集合フェロモンの誘引力は弱いことが多いとされています。それは上記のような生活パターンの違いと関係があります。
成虫寿命の短い飛び回る貯穀害虫類は、その短い一生の間に異性を探して子孫を残さなければなりません。
そこで、異性を強力に誘引することのできる性フェロモンを「ことば」として使っているのです。

集合フェロモンを使った効果的なモニタリング

集合フェロモンの誘引力を高めるための工夫をご説明します。

弱い誘引力を補強する

昆虫が餌を探す際に、目印として利用するのが食物誘引物質です。
集合フェロモンと一緒に食物誘引物質を設置することで、弱い集合フェロモンの効果を高めることができます。

昆虫のフェロモンは、昆虫のことば

私たちは「昆虫の“フェロモン”は、昆虫の“ことば”」という理解を出発点として、効果的なフェロモントラップを開発してきました。これからも、それぞれの“ことば”の特徴にあったモニタリングについて、考えていきたいと思います。

“フェロモン”による昆虫のコミュニケーションと“ことば”による人のコミュニケーションは同じ